さわんどの祭り
さわんどに古くから伝わる祭りで最も特徴的なものに「どんどやき」があります。
これは、各地では「三九郎」、「塞の神(せいのかみ)」などと呼ばれている火祭りとほぼ同じですが
この地区では特別に「厄撒き(やくまき)」ともいわれています。その訳はまず、これに火をつけることができるのは男ならかぞえで2才、42才、女ならかぞえで33才のいわゆる、厄年の人だけです。更に、火勢が最高潮になった頃、「投げ銭」といって
その人の「厄」を現金に託して投げ入れられます。それを周囲の人は先を争って拾います。時には紙幣も舞います。
(このお金はその日の内に使ってしまうというしきたりがあります。)
ですからこの日だけは、遠くに嫁いだ娘さんやその家族、お客様などで一年で一番、さわんどの人口が多くなります。
この、三九郎作りほ毎年、男女衆総出で作られます。
高さ6mほどにモミ、ツガ、スギ、ヒノキなどの葉を積み上げていきます。中心部までぎっしり針葉樹が詰まっていますから
たとえ雪がかぶっていても猛烈に燃え上がります。燃え上がりの状況で一年の厄払いの判断を各自判断します。
今回のどんどやき(三九郎)のお知らせ −
1月14日(月) 19:30から
場所 :
さわんど足湯公園
当日は厄撒きの他に地元小学校児童による太鼓の演奏、
樽酒・豚汁・繭玉などの提供、かまくら遊びや足湯の利用もできます。
お近くにお越しの際には是非お立ち寄りください。
どんどやきの炎で身も心もきっと暖まるでしょう。
皆様のご参加をお待ちしております。
当日宿泊のお客様、宿泊料金の10%引きでサービス。
1月14日、夕方7時になると始まります。
先ず、「殿」と呼ばれる厄年の人が松明で点火します。
この「殿」についてはおもしろい習慣があります。
それは、当日は自分の家から直接来てはいけないと
いうことです。
ですから大抵は近い親戚などの家で少し御神酒を頂き、
そこで松明に火をもらい、会場に来ます。
そしてさらに、終わった後も直接自分の家へ
帰ってはいけません。
先ほどの家へいったん戻り、また御神酒を少し頂いてから
自分の家へ戻ることができます。
この理由はもしかしたら、「疫病神」に自分の家を
知られまいとするためかもしれません。
大殿はこの日には大金が必要です。
このためにわざわざ作った信玄袋には「銭」がどっさり
入れてあります。
大殿はこれを張り切って空高く投げるものですから、
頭や顔に当たるとけっこう痛いものです。
特に500円玉は強烈です。
空高く火の粉を巻き上げながら燃える様はとても
きれいですが、目の前に「銭」が落ちていても
熱くてとても拾いには行けません。
子供の頃にはよく、翌朝まだ暗いうちに燃え殻を
つっつきに行ったものでした。
おいで頂いた方には豚汁のサービスがあります。
これは毎年とても好評で、点火前の冷えた体を
内側から暖めてくれます。
沢渡を遠く離れている人たちも、せめてこの日だけは
子供や孫を連れて、どんどやきの火の回りに集い、
昔話に花を咲かせてもらえたらと思います。
そして、この奇妙な風習を絶やさないように
語り継いでいって欲しいものです。